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インフルエンザB型の迅速検査の感度が低い件

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

インフルエンザがA型、B型ともに流行しておりますが、B型の迅速検査の感度がだいぶ低いようです。つまり、インフルエンザB型でも検査で陰性と出てしまうこと(偽陰性)が多いということです。もちろん、発熱して半日経過してなかったり、熱がそれほど高くないときに検査すると偽陰性が出やすくなりますが、38℃以上になって半日以上経っていても偽陰性が結構出ています。なぜ分かるかというと、熱が続いてどうみてもインフルっぽくて再検査すると陽性だったり、ほぼ同時期の同居家族の発熱者に陽性が出たりということがあるからです。そもそも鼻から検体を取るインフルエンザ抗原迅速検査というものの感度が全体でも50~70%とされてるので、通常のA型でも良くても3割くらいは見逃す検査なのです。でも、今のB型はさらに見逃しが多くなっている印象なのです。

そういうことなので周囲の感染状況や症状、所見からインフルの可能性が高ければ、特に38℃前後までの熱や、発熱して間もない症例の場合、検査なしでインフルエンザと診断して良いと考えて、こちらから提案することもあります。しかし、しばしば拒否されて結局検査します。それで陰性が出ると、1日おいて高熱になってたら再検査するはめになることも多いです。検査するからには、原則陰性と出たらそのときはインフルの診断は出来ません。陰性だけど、多分インフルだからとインフルということにするのなら、そもそも検査する意味がありません。強い痛みを伴う検査なので、検査される本人が良いなら2回くらいならやらないことも無いですが、死ぬほど嫌がり怖がっている小さな子に無意味な検査をするのは、例え親の希望でも小児科医としての倫理観に関わる耐え難い行為です。


インフルエンザ治療で最も重要なのはワクチンであり、ワクチンさえ接種していれば脳症など重大な合併症などはほとんど防げます。また、抗インフルエンザ薬は一般に有熱期間を1日短くする効果くらいであり、早期診断して早く内服治療を始めたところで重症化を防ぐ効果はありません。ですから、正直なところ、乳児期早期とかでなければインフルエンザを見逃したところで大きな問題ではないと考えています。

 

とはいえ、流行期にはほとんどの発熱患者さんはインフルエンザかどうかが知りたくて、そうであれば薬を始めたいと思っておられます。インフルエンザの診断に検査は必須ではありません、どの教科書にもガイドラインにも必須とは書かれていません。だから、信頼性の低い痛くて怖い検査にこだわらず、医師の見立てを信用して欲しいです。おそらく、迅速検査よりも医師の診断の方がずっと高い感度だと思われます。なお、診断されたら抗インフルエンザ薬を使用することも否定はしません。有熱期間が1日でも短くなれば助かりますものね。また万が一、実はインフルエンザでは無かったとしても抗インフルエンザ薬を使用して特段副作用が出やすいようなこともありません。