こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。
子どもの精神的な要素が関係する問題行動について相談で、いつも苦労しているのが表題の心理的虐待の把握です。心理的虐待というのは、暴力やネグレクト(食事を与えない)などのように身体的なダメージを伴わないが、精神的な傷を負わせる行為のことを言います。虐待そもそもが加害者が自分から言うことではないですが、身体的なものなら診察などで気付けることも多いです。ですが、心理的虐待はわかりにくいし、そもそも虐待してる保護者本人が虐待と思ってないことが非常に多いのです。ちなみにこの心理的虐待は身体的虐待、性的虐待、ネグレクトといった虐待全体の中で6割を占めていて最多となっています。
心理的虐待の具体例
具体例は、暴言、過度に怖がらせる、無視、など直接子ども本人に対するものだけでなく、他の家族への暴力や暴言を見聞きさせることも含まれます。また、他のきょうだいと比較し差別的に扱ったり、達成困難なことを要求したり、社会生活を過度の制限したり、監視したりすることなども。
虐待と定義されてるということは
虐待と定義されているということは、それだけ子どもに重大な精神的ダメージを受けさせる可能性があるということです。勉強や習い事を過度に強制したり、そのために子どものやりたいことや社会活動(友人との交流など)を制限することも虐待に入ることがあります。また、夫婦間のDVやひどいケンカを子どもの前で行うことも完全な心理的虐待に入ります。このあたりになると、親も自覚せずに行っていることが多いかもしれません。
原因のわからない解決困難な子どもの問題行動
虐待を受けている子どもは、様々な問題行動が出現し、それは他人への暴力暴言、犯罪行為、摂食困難、不登校など多岐にわたります。学校や病院の先生に相談して対策しても、なかなか解決出来ないときは、改めて心理的虐待に該当することを親自身がやっていないかどうか振り返る必要があります。私たち医師や外部の相談者は、家庭内の状況まで詳細には把握できないのですから。
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○ (火曜日, 23 9月 2025 16:31)
心理的虐待は自分がされていたら
子供にもしてしまう傾向がありますか?
吉岡誠一郎 (火曜日, 23 9月 2025 16:50)
その傾向は十分あると思いますね。
○ (火曜日, 23 9月 2025 19:06)
ありがとうございます。
絶対にしたくないと思っていますし、思い通りに動かそうと思わないように育てたいと思っていますが、
気をつけること、考え方や言動があれば教えていただきたいです。