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ミラーニューロンが悲鳴を上げてる

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

最近、職場のスタッフに勧められて今さら「チ。 地球の運動について」というアニメを見始めたんですけど、ど頭からリアルな拷問シーンでビビりました。私、銃で撃たれたり刀で切られたりするシーンは意外と何ともないんですけど、あのゆっくり機械で爪を剥がすとか、絶対無理でもう痛すぎて見てられなくて。最初だけかと思いきや、ちょくちょく爪剥がしたり、歯を抜いたり、口切ったりとか拷問シーンが出てくるもんで、そのシーンが来ると映像見ずに音だけでストーリーを追ってました。よく皆さんこれ見てますね、NHKとかでよく流せるな。で、この自分がされてるわけでもないのに、人がされたりしている行為を見ているだけで自分ごとにように感じる感覚のときには、脳のミラーニューロンという部分が活発になっています、今回はそんな話です。

ミラーニューロンとは

自分が行動するときだけでなく、他の人の同じ行動を見たときにも活動する特別な神経細胞で、私のように人が痛がってるのをみて自分も痛い気がする以外でも、他人が何かで喜んでるのを見てこちらもうれしくなったり、スポーツなど人がやる動きを見ることで、自分も同じ動きを上手に真似できる人も、このミラーニューロンが活発に作用していると考えられています。

発達障害との関連

ミラーニューロンは対人関係において気持ちに共感したり、想像したりという能力に関わってくるので、発達障害のうちの自閉スペクトラム症の原因の一つがこの神経回路の機能低下ではと以前から考えられています。正式な医学用語ではありませんが、いわゆるサイコパスもこのミラーニューロンに問題がありそうですね。

ミラーニューロンは育めるのか?

それぞれのミラーニューロンの機能が生まれたときから決まっているのか、遺伝性があるのか、生後に発達するものなのかはよく分かっていません。しかし、人を見て人と一緒に喜ぶ、興奮する、悲しむといった遊びや行為は、間違いなくミラーニューロンを刺激するでしょうから、共感性が豊かな人の気持ちが思いやれる子になって欲しければ、普段の遊びや関わりから意識すると良いでしょうね。対人での遊び以外でも、親と一緒に絵本やアニメを見るのも良いと思います。