こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。
先日、ある医療系ドラマを見ていたら心疾患をもつ子が真夏にインフルエンザに罹患して亡くなるシーンが流れてきました。確かに当院周辺でも7月に小中学生くらいを中心にインフルエンザの局所的な流行が散発していました。今やインフルエンザは冬のような大流行はしないにしても、夏を含め年間通して断続的に見られる感染症になっています。そこで、インフルエンザワクチンについて書きます。
点鼻インフルエンザワクチン(フルミスト®)の登場
昨年から国内で点鼻インフルエンザワクチンが発売され、2~18歳に対して接種出来るようになりました。このワクチンの特徴は、
①薬剤を鼻腔内に噴霧する点鼻ワクチンで注射のように痛みが無い
②年齢に関わらず1回接種で終了(注射型は6か月~12歳は2回接種)
③効果持続期間が1年である(注射型は3~4か月程度)
④生ワクチンでなので副反応として発熱だけでなく咳鼻などの風邪症状がありうる(注射型は熱のみが多い)
点鼻インフルエンザワクチンの最大のメリット
このワクチンのメリットは注射のように痛くないこととか、1回終了なので2回病院に行かなくて済むとかだと思われがちですが、私は何といっても最大のメリットは1年という効果持続期間と考えています。冒頭に記したような春以降の従来ワクチンの効果が切れてからの流行にも対応出来るところです。価格の関係で、13歳以上の注射でも1回接種の方は痛くても良いから安い注射でと思う方が多いかもしれませんが、価格が倍以上になっても対象年齢であれば点鼻ワクチンの方が絶対良いです。もともと2回接種の年齢であれば、価格は2回注射接種するより少し高いくらいなので、選択の余地なく点鼻ワクチンにすべきです。
点鼻インフルエンザワクチンの注意点
一つこのワクチンの問題として生ワクチンを直接鼻腔内に入れることで、接種後2~4週くらいまでは、インフルエンザ迅速検査をすると、実際に罹患していなくても陽性が出てしまうことです。つまり、接種してから一定期間は発熱があってインフルエンザを疑っても検査が出来ないのです。ですから、その対策として点鼻ワクチンで接種するなら本格的な冬の流行が発生する時期より、出来るだけ前に接種するようにしましょう。おそらく10月初めから接種開始されることが多いので、10月前半には接種しておくことをお勧めします。
まとめ
昨年はこのワクチンは発売初年で流通量が少なく十分に希望者に接種出来ませんでしたが、今年は出来るだけ多くの方に接種出来るように準備しています。今後のインフルエンザワクチン接種は、2~18歳であれば点鼻インフルエンザワクチン(フルミスト®)を出来るだけ早く接種しましょう。当院の予約受付は準備が整いしだい、ホームページ、公式LINEなどで発表いたしますので、よろしくお願いします。
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