トイレトレーニングと便秘

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

便秘ネタが続きますが、意外と知らない方も多いことに気付いたので書きたいと思います。便秘になりやすい時期(年齢)というのがあって、一つが離乳食が始まって増やし始める時期。食事が変わるわけだから想像はつくと思います。ミルクや母乳だけのときと比べて水分量が減るからかと思いますが、逆にこの時期に下痢になる子もいるのでいろんな要素があるのでしょう。もう一つは、トイレトレーニングを始めた時期です。

トイレトレーニングから便秘に

トイレトレーニングは排尿も排便もですが、それまでオムツ内にしたいときにそのまま出していたところを、尿意便意を感じて少し我慢してトイレまで行って下着を脱いで出すことを目標にするわけです。その過程でトレーニングパンツや普通の下着に出すと気持ち悪いし、トイレまで行ける余裕があっても面倒くさかったり、外出中は外のトイレは行きたくなかったりで、便意を我慢することがしばしば増えます。排便を我慢して腸内の貯留時間が長くなると通常は便は硬くなるので、便秘になるわけです。

便秘のトイレトレーニングへの影響

反対にもともと便秘がある状態で、トイレトレーニングをしたらどうなるでしょう。そもそも硬い便を痛がりながら時間をかけて苦労して出すことを続けていれば、排便自体を好きではなくなりますので、わざわざトイレに行くことをしたがりません。理想は便意を感じてから、それを我慢してトイレに行ってすぐにするりと出してすっきりするというのを繰り返すことなので、排便にもトイレにも良い印象が無いとトレーニングも上手く行きません。

便秘のままトイレトレーニングを続けると

にもかかわらず、便秘のままトレーニングを強行し続けると、けっこうな確率で小学校入る段階でもオムツが外れなくなります。ひどいときは昼間に少しずつ便失禁をするようにもなって、そうなると小学校での生活は現実的に難しくなりますね。2~3歳以上での便秘治療は、このトイレトレーニングの状況は十分確認しながら進めています。確実に排便の良い状態を保っている間にトレーニングを進めてもらい、完全にトイレで排便出来るようになれば積極的に減薬していきます。

 

トイレトレーニングを始めるときは、便秘の有無には注意しておいてください。