· 

吉本新喜劇のギャグと赤ちゃんの遊び

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

先日深夜に吉本新喜劇のギャグがどれほど大阪人に愛されているかみたいな話をやっていて、実は私はそんなに新喜劇は好きでも無いんですけど、関西では根強い人気ですね。「邪魔すんで~」「邪魔するなら帰って~」「はいよ~」って、ただそんだけのやりとりで、何度も見て知ってても面白いってちょっと不思議ですね。そして、なんか見たことあるなって思ったんです。

赤ちゃんが最初にする、大人との遊び

赤ちゃんの0歳前半は、主に人の顔を見たり声を聴いて、それを模倣して笑ったり表情のある声を出したりというのが増えて行きますが、6か月くらいからパターン化された遊びを理解出来るようになります。始まりがあって終わり(盛り上がり)がある、そして単純で先がわかってるけど、何度でも大人にやって欲しがります。例えば「いないいないばぁ」とか。何か新喜劇のギャグを好む感覚と共通したものが、赤ちゃんのときから人間には備わっているのかなと思います。

「いないいないばぁ」遊びの重要性

ちなみに、いないいないばぁのようなパターン化された遊びは、コミュニケーションの発達の源となる重要な遊びになります。何度もやってるうちに、赤ちゃんは喜んでさらに繰り返しをして欲しくなり、そこで大人が止めると、声を出したり体を動かすなどして繰り返しを要求するような動作が見られるようになります。そして、この動作を見て大人が繰り返してあげると、赤ちゃんはこの動作で意図が伝わったことを理解するようになるのです。これは、10ヵ月以降くらいから見られる視線や指さしなどで、大人に意図を伝える段階への橋渡しになるので、とても重要なのです。

言語やコミュニケーションの発達の遅れが気になるときに

ですから逆に、視線や発声や指さしなどの行動が乏しくて、言葉を含めたコミュニケーションの発達が遅れが気になるときは、いないいないばぁのようなパターン化された始まりと終わりが明確な遊びで、子どもが喜ぶようなもの、何度も繰り返して欲しがりそうなものをたくさんされるのが良いかもしれません。新喜劇のギャグを赤ちゃんが好むかはわかりませんが。